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2011年9月 5日 13:51
田原 五郎
志の低い奴らだ などと
周囲に棘を撒き散らして悦に入っているが
ほんとうに志の低いのは 己ではないのか
今の己は
日本を変える 世界を変える
―――と誓った二十代半ばの決意の片鱗も失くしている
生活をまわすわずかなお金のことに心を砕き
ちょっとした評判に一喜一憂し
見世物売り物見かけ倒しの色に気を取られ
雑多な会合の小手先の進行に汲々とし
革命を額縁に入れてしまった
ひざを痛めてのpenguin歩きは
リザちゃんの歓心は買うが
(「かわいぃ」だなんて言われて...)
どどどどど...と足音そろえて敵に迫る
迫力に欠けることこの上ない
東京に出そびれてしまったこともあった
あのころジャーナリストか小説家になる夢を見ていた
しかし 適当にしか勉強しなかった
「つきあってください」という言葉はぼくにはなく
しかも 交際を截つ時の優柔不断
なりたくもなかった職についてのちは
反骨のまねごとに自らの活路を見いだし・・・しかし
あの時 すべての反対を押し切ってでも決断しなかった
議会への道
別れることもしなかった
己はどこかで
高く強い志を持つことを怖れ
そこそこ暮らしの習いを身につけたようだ
父から受け継いだであろう血について
徹底した追究もせず
貧を真正面から受け止めることもせず
ふしだらな(と思っていた)末姉ともまともに対決せず
死なせてしまったことについての
深刻な反省も後悔もない
お坊ちゃん育ちみたいな顔をしている
今まさにたたかいの高揚期が来ようとし
がんばりが求められるのに
がんばりきってぶっ倒れるほどの根性もなく
馴れたそこそこ暮らしに浸っている
だがこれが己の真の姿?
こころざしひくくながく
それでも少しは世の中の役に立っているのか?
カテゴリー: おりおりの