「ど」に寄せる想い・・・心優しく、目の前のあなたに捧げたい。ひとの心にそっとよりそう、ささやかな応援歌。

笛を吹く女 -Junに-

2011年1月 8日 11:22

静かな瞳をおとして笛をお吹きなさい
女の人よ
長く濡れた黒髪のリズム
あなたを包んだふるえてやまぬ遠いとおい喜びの旋律を
そしてまた月夜の寂しいひとり寝のために
ふたたび みたび よたび
そのつめたいまつげをおとし
両のゆびに紅みがかった力を踊らせ
女の人よ
それがあなたに予定されていた
なんというか このぼくらには解らない運命

ろふろふと
空かける音色がむしょうに哀しい夜ではありませんか
ろふろふと
つつましやかな羞恥を去って
笛は流れ 人は流れ
おそろしく大きな世界が
いまはひっそりと
勝ち誇った男のように
あなたに耳を澄ますのです

ああ 笛をお吹きなさい
女の人よ
ひろいひろい闇にむかって
へしあいへしあう夜にむかって
お吹きなさい笛をこまやかに
人目をへだてたこの夜が
あなたのよろこびであるように
おふきなさいおふきなさい 女の人よ
透明な笛の音の香りが
あなたの乳房にまつわりついて
それがあなたのよろこびであるように
それがあなたのよろこびであるように

ああ おんなのふるさとを流れきたこの音色に
あなたとぼくが抱きあうのだ

カテゴリー: 修羅 , 初期詩篇

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