「ど」に寄せる想い・・・心優しく、目の前のあなたに捧げたい。ひとの心にそっとよりそう、ささやかな応援歌。
2011年1月 1日 11:19
おれは
白い表情をもてあましながら
雪原を歩いていた
生活は遅く
輝きを失った日々の中を
いま すぴいどに追いつめられた
新
幹線列
車が迅る
投石置石爆破
おれがおもむくのはそのためではない
脱線転覆爆発
おれののぞみのすべて
つうとんからあの現代をあの日に遡ってとめること
だが
一輪の花しかもたぬおれは
いちばんやさしい武器をぶっつける
雪をけ立てて 走りより
力まかせに――
はらはらと
赤いはなびらは散った
お
ん
な
よ
おまえがそのときしたように
いのちあるはなびらは
すぴいどのむこうへ消えた
するするとおまえの去っていく気配を感じながら
おれにできたのはなにか
絶望もなく
失意もなく
ひとつの意味も摘みとって
現代のすぴいどに慕いよったおまえの死
同じ雪降る日
ひらりと舞ったひとときの感傷が
おまえのすがたを霧にした
中空に腿の白さがひらめいたという――
それから女よ
二十二歳の涸いた意識には
すべてが白くぬめぬめと映る
成熟をいとうかたくなな意志は
問いかけの放棄を叫んで泥酔していた
その
原始な脳髄の中へ
日にいめいじを強要してくる
腿の白さのおまえ
銀色の陶酔は降りつもり
白い沈黙にうちのめされたおれの
むすぼれぬ涙にかえて
ひとすじ
泣かなかったおまえの
ただよう腿の白みから
いま金剛の涙が下る
涙が下る。
カテゴリー:
修羅
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初期詩篇
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