おんなの膝はひとつの芸術である
母の胸にすがりつくように
おんなの膝にのって至妙の手ざわりを楽しもう
おどおどしたひとりぼっちの心は
なによりも美しいものに憧れている
いじましい欲望に満ちた日々の心は
なによりもひろいものに甘えたい と
そんなに苦しくされた少年に
わたしはこのおんなの膝を贈ろう
おんなの膝はまぎれもなくひとつの芸術である
ひかりのめろでぃを歌うおさなごに手をさしのべ
ごくまれなさびしくやさしい人格を育てた
おんなの膝に
おまえの夢とおまえの現在をくみたてよう
あああ まろやかな しめやかな あたたかみに濡れた
おんなの膝に
うっとりと こうごうしく 哀しみを呑んだまま
おまえはまつわりついて行け
カテゴリー:
修羅
,
初期詩篇